これまでいくつかの記事に分けて紹介してきましたPhotoshopのフィルター効果のまとめですが、今回で第9回目となり最後の記事になります。これまで紹介してきたフィルター以外にも、実際の制作現場でよく使われるもの、また高性能なPhotoshopならでは凄いフィルターを見ていきたいと思います。
(過去のまとめ記事はこちらから)
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#1(フィルターギャラリー:アーティスティック編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#2(フィルターギャラリー:スケッチ・テクスチャ編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#3(フィルターギャラリー:ブラシストローク・表現手法・変形編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#4(ピクセレート・表現手法編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#5(シャープ・ノイズ編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#6(ぼかし・ぼかしギャラリー編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#7(変形編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#8(描画編)」
今回はその他カテゴリのフィルターと、それ以外に用意されているフィルターを見ていきます。その他のフィルターは、メニューからフィルターの選択肢の中に含まれています。そこからレイヤーに適用させる形になります。
今回もこちらの写真をサンプルに、いろんなフィルター効果を設定していきます。フィルター効果を適用することでかなり見た目の違いが現れるかと思います。
その他のフィルターまとめ
その他のフィルターには色調補正や、コントラストを調整するもの、また繰り返しの描画を行うものなど様々な種類のフィルターが含まれています。
【HSB/HSL】
色空間であるHSBやHSLを切り替えることができます。単体で使うことはほとんどないのではないでしょうか。
彩度に合わせてマスクをかける場合などに色味のチャンネル操作と合わせて入出力を選択して使われるようです。
このように入力モードと出力モードをそれぞれ指定する形で、結果の色味も変わります。
【カスタム】
自分でピクセル単位の明るさを調整することができます。デフォルトの設定では少し明るくコントラストが強くなるようになります。
このようにピクセルの明るさに対して掛け合わせる数値を入力して調整します。中央部分が対象のピクセルでその周囲の隣り合うピクセルも合わせて調整できます。
【スクロール】
指定した方向に移動させることができ、その空いたスペースを繰り返したり引き伸ばして表示させることができます。
どの方向へどれくらい移動させるかや、空いたスペースをどのように定義するかなどを設定できます。
【ハイパス】
エッジ部分を強調させ、それ以外の部分をなじませるような効果を与え、階調が少なくなるような見た目になります。その他のフィルター内ではよく使われるフィルターではないでしょうか。単体ではあまり使われないですが、オーバーレイなどの描画モードで重ねることで劇画タッチになったり、モノクロ印刷のスキャンなどで薄いところを濃く見せることなどに使えます。
また、このように適用量を調整することができます。
【明るさの最小値】
ピクセルの暗い部分をより強調させ拡大させる効果を与えます。全体に暗くなり、ピクセルが大きくなってぼやけたような見た目になります。効果で拡大させた時のピクセル形状は四角か円形かを選ぶことができます。
【明るさの最大値】
先ほどとは逆にピクセルの明るい部分をより強調させ拡大させる効果を与えます。全体に明るくなり、ピクセルが大きくなってぼやけたような見た目になります。こちらも効果で拡大させた時のピクセル形状は四角か円形かを選ぶことができます。
それ以外にもたくさんある便利なフィルター効果
【ゆがみ】
その名の通り画像を歪ませたような変形効果を与えることができます。適用する範囲はカーソルをドラッグをすることで自由に適用できます。
設定ではかなり細かく調整でき、歪みの強さや大きさとなるストロークの半径や適用量などを設定できます。
【広角補正】
広角レンズで撮った時に膨張したような歪みを補正することができます。またそのような効果を擬似的に再現することができます。
設定では歪みの補正度合いや、焦点距離なども調整することができます。
【レンズ補正】
カメラ撮影時のレンズによる歪みや撮影角度の修正、また周辺減光の調整などができます。うまく撮影できなかった写真も後からデジタル加工で撮影したかったイメージに近づけることができます。
それぞれの調整項目はこのように専用のダイアログ内で操作していきます。かなり細かく調整ができますね。
【CameraRaw】
AdobeのLightroomなどRawデータを編集するアプリケーションに近い操作でイメージを編集することができます。PhotoshopでRawデータを編集するときや、レタッチ前の下地調整など、写真を使うデザイン制作においてはよく使うフィルターではないでしょうか。
カメラレンズや撮影時の補正はもちろん、ホワイトバランスや露光量などを調整できます。実際の操作も各項目ごとにかなり細かく設定することができますね。
【Vanishing Point】
こちらは少し特殊なフィルター効果で、遠近法を用いたような形で指定の画像を変形させて表示できるフィルターです。
まずはベース画像へ対象となるエリアを定義します。この時にグリッドが表示されるので角度などを参考にできます。
そして対象となる画像を選択ツールで全て選択状態にしてコピーしておきます。
ベース画像に戻ってフィルター設定のダイアログ内でペーストします。
そのまま先ほど定義したエリアまでドラッグをするとこのように定義したエリアの形と角度に合わせて画像が変形されて表示できます。
その後、画像を変形させることで目的の形に近づくよう調整していくことで完成です。
また、それ以外にも「ビデオ」フィルターでは動画データに対して、走査線を調整して見やすくすることができたり、「3D」フィルターでは立体オブジェクトを扱う3D機能の中でイメージを反映させたりすることができるものがあります。
このようにPhotoshopにはビットマップなどの画像データに対して色んな効果を適用できるフィルターがたくさん用意されています。これからもアップデートに合わせて新しいフィルターが追加されるかもしれませんね。そんな中で全ての機能を使いこなすのは難しいのですが、デザイン制作の中でよく使う機能などはぜひ使いこなせるようにしておきたいですね。
(過去のまとめ記事はこちらから)
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#1(フィルターギャラリー:アーティスティック編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#2(フィルターギャラリー:スケッチ・テクスチャ編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#3(フィルターギャラリー:ブラシストローク・表現手法・変形編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#4(ピクセレート・表現手法編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#5(シャープ・ノイズ編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#6(ぼかし・ぼかしギャラリー編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#7(変形編)」
「Photoshopで使えるフィルター効果まとめ#8(描画編)」