前回はCordovaでのAndroidアプリ開発の環境構築フローをまとめましたが、今回はアプリを制作し、実機へのビルドや、アプリデータの生成などリリースまでの一連の流れをまとめていきたいと思います。
アプリ自体のクライアント側ソースコードの制作は基本的にHTML/CSSとjavascriptなどでコーディングします。それらのファイル群をwwwフォルダに格納します。
アプリをビルドする
Cordova内で作成したアプリデータをコンパイルし、apkファイルとして生成します。実機でのテストやアプリリリース時にはこの形式が必要となります
1. Corodovaのフォルダまで移動
コマンドでCordovaファイルのルートフォルダまで移動します。
$ cd ~/プロジェクトフォルダ/Cordovaルートフォルダ
2. アプリデータをコンパイルしビルドする
次のコマンドを入力するとコンパイルが始まり、アプリデータ(apkファイル)がビルドされます。
$ cordova build android
ビルドされたapkファイルは、Cordovaルート配下の/platforms/android/build/outputs/apk/の中に、android-debug.apkというファイル名で生成されます。
実機へビルドし動作確認を行う
アプリデータを実機へビルドし、実機で動作確認できるようにします。
1. Android端末をデバッグモードに設定しPCとUSBで接続する
PCとUSBで接続した時にPC側で端末を認証させる為に、端末をデバッグモードに設定する必要があります。機種によって異なりますが、設定メニューから開発者向けオプション内にあるUSBデバッグの項目にチェックを入れるとOKです。(詳しくは端末ごとのヘルプをご確認下さい)
2. 実機へのビルドを行う
次のコマンドを入力し実機へビルドします
$ cordova run android
端末のランチャーメニューにアイコンが表示され、アプリが動作します。
アプリの各種設定
Cordovaではプラグインを導入したりconfig.xmlファイル内で各機能を指定することにより、アプリのさまざまな設定を行うことができます。
1. 画面のタテヨコ固定
画面をタテ(portrait)もしくはヨコ(landscape)で固定するかを指定できます。Cordovaルートフォルダ直下のconfig.xmlファイル内に次のように記述します。
【config.xml】
//画面をタテで固定
<preference name="Orientation" value="portrait" />
//画面をヨコで固定
<preference name="Orientation" value="portrait" />
2. スプラッシュスクリーン画面の設定
スプラッシュスクリーンとはアプリ起動時に立ち上がるまでの時間、一時的に表示される画面のことです。画面いっぱいに1枚の画像を表示させるため、各端末ごとのサイズに合わせたスプラッシュスクリーン画像を用意する必要があります。
【Cordova splashscreenプラグインをインストール】
スプラッシュスクリーンを設定できるプラグインをCordovaへインストールします。次のコマンドを入力するとインストールが始まります。
$ cordova plugin add cordova-plugin-splashscreen
【config.xmlへスプラッシュスクリーンの設定を行う】
Cordovaルートフォルダ直下のconfig.xmlファイル内に次のように記述します。
【config.xml】
<preference name="SplashScreen" value="screen" />
<preference name="SplashScreenDelay" value="10000" />
SplashScreenのvalue値にはこの後用意するスプラッシュスクリーン画像のファイル名の拡張子を除いたものを、SplashScreenDelayのvalue値にはスプラッシュスクリーンが表示される時間をミリ秒で指定します。(この時間設定が短すぎるとスプラッシュスクリーンが表示されないので注意する)
【スプラッシュスクリーン画像を各サイズ分用意する】
タテヨコの両方で次の各4種類ほどあれば十分対応できると思います。
ldpi |
低解像度の端末用 |
タテ:200px×320px/ヨコ:320px×200px |
mdpi |
中解像度の端末用 |
タテ:320px×480px/ヨコ:480px×320px |
hdpi |
高解像度の端末用 |
タテ:480px×800px/ヨコ:800px×480px |
xhdpi |
超高解像度の端末用 |
タテ:720px×1280px/ヨコ:1280px×720px |
※サイズは幅(width)×高さ(height)
今後、端末の解像度が進化してくると、より大きいサイズの画像が必要になるかもしれません。
【スプラッシュスクリーン画像を指定フォルダに格納する】
Cordovaルートフォルダ直下にある、/platforms/android/resの中のdrawable-land-○○○○(ヨコ用)とdrawable-port-○○○○(タテ用)のフォルダが合計8つあるので、各サイズのフォルダに対応したサイズの画像ファイルを、先ほどconfig.xmlの中でSplashScreenのvalue値で設定したファイル名で全て統一して保存する。
以上でスプラッシュスクリーンの設定はOKです。各フォルダ内に格納したこれらの画像はビルド時に/platforms/android/res/screen/androidのフォルダ内に「splash-landもしくはport-解像度サイズ」のファイル名で各画像が再度生成されます。
2. アイコンの設定
ランチャーメニュー等で表示されるアプリアイコンの設定を行います。こちらもスプラッシュスクリーン同様に各解像度に合わせて数種類用意しますが、プラグインのインストールであったり、config.xmlでの設定は不要です。
【アイコン画像を各サイズ分用意する】
各端末の解像度に合わせたサイズを用意します。
ldpi |
低解像度の端末用 |
36px×36px |
mdpi |
中解像度の端末用 |
48px×48px |
hdpi |
高解像度の端末用 |
72px×72px |
xhdpi |
超高解像度の端末用 |
96px×96px |
アイコンに関してはこの他にも、
xxhdpi(144px×144px)とxxxhdpi(192px×192px)のサイズも合わせて用意しておいた方が良いです。
【アイコン画像を指定フォルダに格納する】
スプラッシュスクリーン画像と同じくCordovaルートフォルダ直下にある、/platforms/android/resの中のdrawable-○○○○の各フォルダに各サイズのフォルダに対応したサイズの画像ファイルを保存します。
今回はアプリをビルドする方法とCordovaでのアプリの各種設定についてまとめてみました。次回は「【Macでアプリ開発】CordovaのAndroidアプリ制作フロー(リリース編)」でいよいよアプリをリリースするまでのフローについて紹介していきたいと思います。
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