味覚・香り・音色を配色で表現してみる
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デザインをする上で配色というのはイメージや世界観の方向性を決める重要な要素です。当サイトでも過去の記事で配色に関する記事もいくつかまとめてきました。その中では色が持つ普遍的なイメージでデザインの印象を決めることができるという点について説明してきました。そこで今回はそのテクニックを使って、味覚・香り・音色といった視覚情報以外の要素を配色で表現してみたいと思います。
甘さを表現する配色としては、生クリームやカスタードを連想させる「白」「ベージュ」「クリーム色」などが挙げられます。また、小豆餡やベリー系のジャムなどから「淡いピンク」「淡い紫」なども有効です。全体的に明るく白っぽい色でまとめると良さそうですね。
【酸味】
酸っぱい味の代表格としてはレモンなどの柑橘類を思い浮かべますが、それをイメージさせる「イエロー」「イエローグリーン」などが挙げられます。黄色は少し緑みかかっている方がより酸っぱさをイメージできるようですね。また炭酸やサワーといったもので爽快感をイメージさせることから「ライトブルー」などの色も効果的ですね。
【辛味】
こちらは何と言っても唐辛子から連想される「赤」が効果的ですね。またマスタードやカレーといった辛い食べ物から「イエローオレンジ」「オレンジ」「ライトブラウン」なども辛さを感じられる色としてよく使われます。とにかく赤みが強い配色にまとめられるのが特徴です。
【苦味・渋味】
コーヒーやカカオを連想させる「ダークブラウン」「ブラック」や、抹茶の「モスグリーン」などが苦さを表現するのに効果的です。また「アッシュグレー」などのアッシュ系のくすんだ色みには収斂さを感じさせるので渋みを表現することもできます。
【塩味】
塩辛さを表現するには、やはり海をイメージさせるような「ブルー」「ライトブルー」系の寒色よりの色味がマッチします。また醤油や干物といった実際の塩辛い食べ物に代表される「ブラウン」「ベージュ」なども塩辛さを伝える上では重要な役割を果たします。
【旨味】
具体的な味覚ではありませんが、旨味を表現するのは料理に関するデザインにおいては重要です。出汁が効いている様子や脂の照り感といった日本料理には欠かせないもので「オレンジ」「カーキ」「ブラウン」などの暖色のブラウン系がこれらを表現するのに有効です。
石鹸やシャンプーと形容される、お風呂上がりの爽やかで清潔感のある香りには「寒色系の白」や「淡いライトブルー」などがマッチします。クリアで透き通ったイメージを表現することがポイントではないでしょうか。
【ウッディ系の香り】
そのイメージ通り、欝蒼とした森林の風景を連想させるような「グリーン系の色」がベースになります。中でも明度が高く、彩度が低い淡いトーンでまとめるのが良さそうです。自然豊かで爽やかな香りが伝わってきそうですね。
【シトラス系の香り】
柑橘系の香りになるので、甘酸っぱい印象を与える「淡いイエロー系の色」が適しています。イエローは若干緑みの寄せることでより酸っぱさを強調させることができます。同じイエローでも白に近いものや緑に近いものなどと合わせることでバランスが整いそうですね。
【フローラル系の香り】
バラの花のような甘い香りが特徴の香りは、配色で表現するには「淡いピンク」などの色味が中心になります。ピンク色もどちらかというと赤みの寄せる方が甘い印象を強く表現できますね。ちょっとスパイスを効かせたい場合には紫色に近いピンクが良さそうです。
【ムスク系の香り】
官能的な甘い香りのムスク系には「淡い紫」などの色味の配色がマッチしそうです。先ほどのフローラル系も甘さを表現していましたが、ムスク系では寒色系に寄せることでより艶美な雰囲気を表現しています。
【スパイス系の香り】
お香のような刺激のある特徴的な香りのスパイス系には「淡いブラウン系」など、スパイスそのものの色味が最適です。配色的にも東洋風で異国感のある色が多いのではないでしょうか。ブラウンはどちらかというと黄色によった土色のものがより雰囲気が出そうですね。
サンバやラテンのような軽快なリズムで賑やかな音色には「原色に近い鮮やかな色」を使うことで、アクティブで楽しい印象を与えることができます。特にこのような音色はお祭りなんかでよく耳にするかと思いますが、衣装も派手な場合が多いのでそれにリンクさせることでより印象が強くなります。
【叙情的な音色】
クラシックやオーケストラといったピアノの旋律のような叙情的な音色には「くすんだ色」を中心に構成することで音色が持つ世界観を表現することができます。トーンを下げた暗い色味にすると悲しい感情を、トーンを上げて明るい色で構成した場合には嬉しい感情の音色を表現することができます。
【力強い音色】
ハードなギターのサウンドや、重厚感のあるベース、迫力あるドラムサウンドを連想させるロックなどの音色には、ハイコントラストな派手な色が似合います。金属を連想させる「シルバー」「ゴールド」また「鮮やかな赤」などもかなり目立ちますね。有彩色の場合にはできるだけ彩度が高い方が良さそうですが、使う色味によってチープに見える場合もあるので注意が必要です。
【疾走感のある音色】
クラブミュージックに代表されるエレクトロサウンドの疾走感のある音色には「マゼンダ」「シアン」「ブルーグリーン」「パープル」などのネオンカラーがピッタリです。非現実的な空間を連想させる色味は、人工的で近未来感もある音色にリンクします。色味に関しては原色に近いくらいの鮮やかさが効果的です。
今回は味覚・香り・音色に訴えかける配色で考えてみました。色の持つイメージを最大限に活かすことで、視覚情報以外のデザイン表現も可能性が広がりますね。主観的になりがちなところですがしっかりとした根拠を作ることで、デザインの質もより高まっていくのではないでしょうか。
味覚に訴えかける配色
味覚にもいろんなものがありますが、それぞれの味を連想させるような配色を考えてみましょう。実際に味はしなくても、配色からイメージされる味を連想させられるような色選定が必要となります。ここでは実際にその味がする食べ物や飲み物が持つ本来の色味に近いものを使うことで表現しています。 【甘味】





嗅覚に訴えかける配色
香水など匂いにおいても配色を適切に選定することで、その香りが持つ印象をより引き立たせることが可能です。今回は香水の種類別を例として、香り別の配色を考えてみました。色味についてはそれぞれの香りのイメージによって様々ですが、全体的に淡く明るいトーンにまとまりました。 【ソープ系の香り】





聴覚に訴えかける配色
味覚・嗅覚と続きましたが、お次は聴覚に訴えかけるような配色を考えてみましょう。色には様々な効果がありますが、その中でも動的であるか?あるいは静的であるか?という印象を伝える効果もあります。それを活かすことで音色も賑やかなのか静かなのか、テンポが早いのかゆっくりなのか、という表現をすることができるようになります。 【賑やかな音色】



今回は味覚・香り・音色に訴えかける配色で考えてみました。色の持つイメージを最大限に活かすことで、視覚情報以外のデザイン表現も可能性が広がりますね。主観的になりがちなところですがしっかりとした根拠を作ることで、デザインの質もより高まっていくのではないでしょうか。
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