ネガティブな印象を与えるデザイン表現を考えてみる
先日、とあるデザインワークの際に、ネガティブな印象を感じるようなデザイン表現について考える機会がありました。普段のデザイン制作であれば、より魅力的に伝えるにはどうすればいいかというアプローチが基本という中で、この考え方は真逆の方向でしたのでいい機会と思って色々考えてみると様々な発見もありました。
そこで今回は、レタッチで写真をネガティブな印象に変えるデザイン表現についてのアプローチについて考えてみたいと思います。ここでいうネガティブな印象というのは、悲しみ、恐怖、荒廃した、暗いなどのキーワードが当てはまり、現実の世界であれば、戦争や災害、事件、事故などで恐ろしさを伝えるようなシーンになるかと思います。そこで今回はこちらの写真をサンプルに、よりネガティブな印象を与えられるよう編集していきます。
今回はレタッチツールとしてAffinityPhotoを使用しています。AdobeのPhotoshopの代替アプリとして使え、Photoshopよりも機能は少ないものの、実用には十分利用でき、かつPhotoshopよりも軽快な動作が強みです。最近はもっぱらAffinityPhotoを使うケースが増えてきています。
まずは「白黒」に加工していきます。色みや彩度を無くすことで、より悲しく儚い、虚しさなど荒廃した印象を表現します。
次に「ホワイトバランス」で色みを調整していきます。ここでは色温度を寒色よりに、色かぶりを緑みに寄せて、冷たくドライな印象に近づけています。
そして、「トーンカーブ」を使って、コントラストを強めていきます。カーブの曲線はS字を描くように調整します。コントラストをつけることで、より印象深い写真になるようにしています。
合わせて「レベル補正」でシャドウ部分を強調させ、中間色の暗くするといった、明度のコントロールを行います。ここでは影のイメージをより強くしていくようなアプローチになります。
最後にベースの写真に「ハイパス」フィルターを適用させ、描画モードを「オーバーレイ」にして重ねます。こうすることでフィルム写真のようなリアルな質感を加えることができます。このテクニックについては過去記事「【デザインワークショップ】vol.7 写真を映画のポスター風のデザインに仕上げてみる」でも紹介していますのでご参考に。
これでかなり印象は変わったのでは無いでしょうか。実際に出来上がった写真はこちらになります。
この記事では主にレタッチをメインにデザインを行いましたが、タイポグラフィやグラフィックデザインなど他の手段でもいろんな表現ができるかと思います。
普段のデザインワークでいうと、いかに綺麗でいい印象を与えるかという考え方の方向がほとんどかと思いますが、今回は全く逆のアプローチで、ネガティブな印象を与えるようなデザインを考えてみました。 このようなデザインを考える機会はあまり無いかもしれませんが、だからこそ普段の制作に活かせられるような発見もありますので、ぜひ役立ててみたいと思いました。









普段のデザインワークでいうと、いかに綺麗でいい印象を与えるかという考え方の方向がほとんどかと思いますが、今回は全く逆のアプローチで、ネガティブな印象を与えるようなデザインを考えてみました。 このようなデザインを考える機会はあまり無いかもしれませんが、だからこそ普段の制作に活かせられるような発見もありますので、ぜひ役立ててみたいと思いました。
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