リッチブラック・スミベタ・4色ベタについて
最終更新日: Update!!
今回は印刷物のデザインをする際に出てくる、リッチブラックとスミベタについてまとめてみたいと思います。ウェブでの仕事をしている時には耳慣れないキーワードですが、DTPなどではCMYKのカラーを扱うのでとても重要になってきます。
CMYKのカラーでは全ての色が、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(ブラック)の4色を混合することにより表現されています。各色を混ぜる割合を多くするほど黒に近づいていくのですが、その割合の違いでDTPでは3つ黒色の種類が存在します。見た目における色という部分ではあまり違いはありませんが、インクで印刷されるというところで色の選定や、プリントした際に起こりうるトラブルや注意点等を抑えておく必要があります。
そこでまずはDTPにおける黒色の種類を挙げていきます。
※イメージの色は分かりやすいように変化を付けていますので実際の色とは異なります
単色のため見当ズレと呼ばれる印刷時に起こる色のズレがありませんので、主にテキストなどの文字部分に適用されることが多いようです。
K以外の割合についてはインクや印刷方法などによっても異なりますが、K100%に対して、CMYそれぞれが20%〜40%くらいの割合が多いようです。リッチブラックは広範囲にわたる部分に適していますが、細かい部分や文字などに適用する場合は見当ズレが起こるのであまり向いていません。
理論上もっとも濃い黒色になりますが、インクを大量に使用するのと濃度が濃すぎるため印刷時にトラブルが起こる危険性があり、実際に使用することはありません。
このように、構成する色の割合によりそれぞれの黒色が存在します。 CMYKカラーを適用する印刷物デザインの場合、インクを重ねてカラーを表現し、印刷をすることで出力を行うという特性上、webやディスプレイで適用されるRGBカラーとは異なる考え方になりますので、デザイン制作時に黒色をカラー選定する場合は注意が必要です。
印刷時になんらかの原因でCMYKの各インクがずれることにより、想定していた色と異なる印象の色になることを言います。CMYKの4色を掛け合わせてできるリッチブラックの場合、それぞれの色版がずれると、その色味に傾いて見えたり、色味がついた影ができてしまいます。
ディスプレイを通して作業をしているとなかなか気づかない可能性もありますが、印刷物をデザインする上で、イメージ通りの色味を表現するためにも重要なポイントとなります。データ入稿の際にはこのような点も注意が必要です。
スミベタ
CMYKの値で、Kが100%で表現される黒色です。他の色味が混ざらない純粋な黒色になります。
リッチブラック
CMYKの4色を掛け合わせて表現される黒色です。単色の黒色であるスミベタよりも深く濃い色に仕上がります。
4色ベタ
CMYK全ての値が100%に設定された黒色を指します。
見当ズレ

sponserd
keyword search
recent posts
- Figmaで柔らかな印象のメッシュグラデーションを作成する
Figmaで柔らかな印象のメッシュグラデーションを作成する
- Photoshopで光沢と透明感のあるぷるっとしたテキストを作成する
Photoshopで光沢と透明感のあるぷるっとしたテキストを作成する
- Photoshopでサイバー感のあるレトロフューチャーなイメージを作成する
Photoshopでサイバー感のあるレトロフューチャーなイメージを作成する
- デザイン制作に数学的なアプローチを取り入れてみる #1(グラデーション、カラースケール)
デザイン制作に数学的なアプローチを取り入れてみる #1(グラデーション、カラースケール)
- 【実践テクニック#6】ウェブデザインやバナー制作でグラデーションマスクや光彩の効果を扱う時の注意点
【実践テクニック#6】ウェブデザインやバナー制作でグラデーションマスクや光彩の効果を扱う時の注意点
- 安さやチープな印象を強調させるデザインを考えてみる
安さやチープな印象を強調させるデザインを考えてみる
- メリハリを付けにくいトーナル配色でセパレートカラーを効果的に使う
メリハリを付けにくいトーナル配色でセパレートカラーを効果的に使う
- 【実践テクニック#5】2色の線形グラデーションで中間色をくすませず鮮やかに見せる
【実践テクニック#5】2色の線形グラデーションで中間色をくすませず鮮やかに見せる
categories